日本でも発生の危険が⁉ 蚊が運ぶ感染症デング熱 フィリピン留学時の注意点

先日、感染症と免疫についてお話しましたが、本日は私がお話ししたかった感染症の本題。フィリピンでは一般的な感染症『デング熱』についてお話しようと思います。

感染症と免疫の関係 あなたの体は戦っている!留学生にも必要な感染予防の知識
元医療職員Lumpia(るんぴあ)です。特に感染症が得意分野。そんな感染症オタクの私が「免疫」と「感染症」の成り立ちについて分かりやすく解説します。フィリピンと関係ないじゃん!!関係ないです、ハイ。しかし!実はこれからこの知識が役に立っちゃ...

留学生や旅行者にフィリピンを心から楽しんでもらいたい!そのために、デング熱について知って予防してほしい!というのが今回のLumpia(るんぴあ)の願いです。

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フィリピンで一般的な感染症『デング熱』

フィリピンでは毎年雨期シーズン(6~10月頃)を中心に『デング熱』の流行がみられます。しかし今年はデング熱の感染者が多かったため、巷ではパニックが起こりました。

日本でもデング熱患者が毎年、何名か出ています。そのすべてが輸入例(他国から持ち込まれたもの)です。しかし、2014年に70年ぶりとなる国内感染例が東京都立代々木公園周辺で発生し、100名を超える患者さんが出たんです。

以上から分かるように、『デング熱』は日本でも起きる可能性がある感染症です。

東京オリンピックを控え、さらなる観光客増加が見込まれる今、日本でも注目すべき感染症となっています。

デング熱とは

デング熱デングウイルスの感染によって発症する感染症のことを言います。

感染後、通常3~7日の潜伏期を経て発症します。

潜伏期:ウイルスが体内で増える期間。その間、症状は現れない。
発症:病気の症状が現れること。

症状は主に、発熱、発疹、疼痛(関節痛)の3つ。

治療薬はないので対症療法を実施します。

対症療法:病気の原因を直接治療するのではなく、現れる症状(発熱、疼痛など)を和らげ自然治癒を助ける治療法のこと。
自然治癒:ヒトに備わっている『病気を治す力』により病気が治ること。

通常発症後2~7日で解熱します。発疹以外はインフルエンザの症状にとても似ています。

しかし、その経過中にデング出血熱デングショック症候群という重症化をたどるケースがあります。これは死の危険もある危険な状態で、輸血が必要になる場合があります。

感染したからと言って、必ず発症するわけではなく不顕性感染で終わるケースもあります。

不顕性感染(不顕性感染):ウイルスは体内に入ったが、病気を発症せずにおわること。

デング熱の感染源

前回の感染症記事でお話ししたように、多くの感染症が人から人へ空気や物を介して移るのに対して、デング熱は蚊から人へと移ります

日本にもいるネッタイシマカやヒトスジシマカがデング熱感染者の血液を吸い、他の人の血を吸いに行く際に移すんです残念ながら、デング熱に対するワクチンはありません(ワクチンに問題があり、国の認可がおりていない状況)。

特効薬やワクチンがない感染症に共通して言える一番大切な事。

それは感染症をよく理解し、予防する事です。

デング熱の予防法

デング熱は蚊により運ばれる媒介感染症です。

媒介感染症:虫や動物などを介して人に運ばれ発症する感染症の事。

以下の2つがデング熱予防に重要なポイントになります。

①蚊に刺されない
②環境の蚊を殺す

蚊に刺されない

日本では夏場、フィリピンでは年中、蚊がいます。

蚊に刺されないためにあなたが出来る対策は2つ。

・虫よけグッズ(虫よけスプレー、虫よけパッチなど)を使う
・長そで長ズボンを着て、皮膚をかくす

フィリピンでは『OFF』という虫よけクリームがあります。日本で販売されているスプレータイプは汗で流れるためか効果がありませんでした。フィリピン訪問の際は、こちらで販売している商品を使用することをおススメします(マニラの空港でも売っています)。

虫よけクリーム

フィリピンで有名な虫よけクリーム【OFF(オフ)】

↑『OFF』:フィリピンの虫よけクリーム。大手化学製品メーカーSCジョンソンの商品。長時間用、子供用、低刺激用などがあります。サイズは使い切り小袋~大きいサイズまで様々。

環境の蚊を殺す

感染源となる蚊を殺すことは、デング熱を撲滅するために必要な活動です。蚊の生態系を知ることが、多くの蚊を駆除するポイントになります。

【蚊の生態系】
蚊はメスだけが人や動物から吸血します。それは産卵のためなんです。
メスは水に卵を産み、2~5日で幼虫が生まれてきます。これぞ皆さんご存じ、ボウフラ(蚊の幼虫)です。
幼虫は15日前後で成虫になり、成虫は2~3週間生きます
このサイクルを繰り返しています。

成虫が好んで住む場所は、草むらや物陰、湿気の多い場所など

幼虫はお分かりの通り、水の中です。

以上の事より、蚊を駆除するために私たちが出来ること。

それは、

・成虫を殺すために、殺虫剤を使用すること。蚊取り線香や殺虫スプレーなど)
・卵や幼虫を殺すためには、物に溜まった水を排除すること。雨水がたまる物そのものの排除、排除できない物(植木鉢など)は水が溜まっていたら流す、などこまめなチェックが必要。

これは毎日でなくても大丈夫です。何故なら、生態系をみると分かる通り、卵から成虫になるには日数が必要だから。3日おきなど、決まった間隔を設けて定期的にチェック、掃除をすることが重要です。

 フィリピンでは…

フィリピンでは今年、爆発的にデング熱が流行しました。前年同時期に比べ患者数は8割以上増加し、死亡例も多く報告されています。

現在はだいぶ落ち着きましたが、私が住んでいる都市、イロイロ市でもアウトブレイクが起きたとの報告がありました。

アウトブレイク:医療用語。伝染病が限られた集団の中(村や町、市など)で急激に広まってしまう事。

各地域の病院はデング熱患者であふれ、巷からは蚊取り線香や虫よけクリームが消えるというパニック状態。そんな中、イロイロ市では環境のクリーン活動、定期的な殺虫剤の散布、予防法・駆除法などの啓発活動…さまざまな活動をしてきました。

Lumpia(るんぴあ)の息子が通う学校では、制服が禁止され(半袖、女子はスカートのため)、長そで長ズボンを着ることを義務付けられました(市全体での決定事項です)。

各家庭では定期的にスモークを発生させ蚊を殺していました。(とにかく何かを燃やして大量の煙を作り出すことで虫を殺す、どこかへ追いやる方法:くん煙という)←これはフィリピンでは昔からやられている伝統的な方法です。苦い葉っぱなどを使うらしい。各お家でやっているので、火事かと思っちゃうくらい煙かった…

その努力もあり、現在ではデング熱の流行はおさまりました。

息子の学校ではいまだに、制服着用時にはアームカバーをすること、虫よけクリームの塗布が義務付けられています(暑くなってきたからしんどいですが、身を守るのが1番大事ですよね!!)。

日本でも…

地球温暖化の影響、訪日観光客の増加もあり、日本でもデング熱の発生が避けられない状況です。

2019年9月2日には、東京の新宿御苑でデング熱が国内発生したことを想定した蚊の駆除訓練が行われました。蚊の駆除訓練の内容は、『人おとり法』というユニーク(?)な方法で行われたようです。人を使って蚊を集め、蚊が多く出た場所の周囲に殺虫剤を散布。その後、蚊が居なくなったを確かめるというもの。これがただの訓練で終わることを本当に祈っています。

もし実際に日本でデング熱の流行が起きたときは、冷静に対処しましょう。皆がデング熱について知り、正しく予防することで拡大は防げます。

逆に言うと、皆が協力しないと拡大は防げないという事でもあります。一人が頑張って環境を整えても非力です。ぜひ正しい知識を持って皆で撲滅に協力してくださいね!!!

 

いかがでしたか?

デング熱の流行が起こった瞬間から…あの小さくて腹立たしいだけだった生き物『蚊』が、突然『恐怖の生物』となるんです。予防しても刺された時の恐怖ったら…

日頃から蚊にさされない努力を習慣にすること、感染症に負けない健康な体を保つことがデング熱と戦うための第一歩です!

フィリピンだけでなく、世界各地に感染症は存在します。

それは日本でも同じですよね!※日本では各種感染症の流行を国立感染症研究所のホームページでチェックできます(ちょっと見方が難しいですが…)。

知らない土地への旅行前は【①その土地にどんな感染症があるのか】、【②その感染症の予防法】を必ずチェックし、万全にしてから旅行を楽しんでくださいね!

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最後まで読んでいただきありがとうございました!また遊びに来てくださいね!

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